マローのお話
MTGプレイヤーには「マロー」の愛称でおなじみのMark Rosewaterが書いた新しいコラムです。
いくつか気になった点などを。
からくりとは何で、それを組み立てるとはどういうことですか?
素晴らしい質問で、少し時間をかけて取り組んでいる問題である。知らない諸君のために言うと、私は『未来予知』にあった、からくりを軸にしたミライシフト・カードの《蒸気打ちの親分》の問題を、引退前に解決すると宣言しているのだ(ああ、今すぐ引退する計画があるわけではない)。
時間をかけて取り組んでいる 。マジですか。からくり出るんですか。
レガシーのプロツアーを開催するのに必要なのは何ですか?
最大の問題は、プロツアーの参加者全員が平等になるようにしなければならないが、世界のどこでも同じように競技レガシーに必要なカードを集められるわけではないということである。
プロキシOKにすればいいんじゃないですかね
インスタントをやめて、瞬速持ちのソーサリーにするために必要なのは何ですか?
その変更を出来る時期はもう過ぎたと考えている。最大の問題は、カード上に書かれた文章が新ルールの下でも作用はするが、その文章で言っているようには働かないカードが存在するようになることである(例えば、「ソーサリー1枚をあなたの手札に戻す」と書かれたカードは、元の機能と同じこともするが、文字通りに解釈すると違うことをしてしまうだろう)。
「部族」が戻ってくるために必要なのは何ですか?
まず、ここで言っている「部族」がカード・タイプのことであり、クリーチャー・タイプを扱う主軸的テーマのことではないと断っておこう。前者は二度と採用されないが、後者は今後もマジックのブロックで登場し続けることになる。カード・タイプの部族が戻ってくるために何が必要か、と問われれば、何を持ってしてもそんなことはあり得ない、と言わざるを得ない。
部族について詳しくない諸君のために説明しよう。『ローウィン』ブロックで、我々は部族テーマを取り上げ、クリーチャー以外のカードにクリーチャー・タイプを持たせて相互作用を生み出したいと考えた。その方法として、当時のルール・マネージャーのマーク・ゴットリーブ/Mark Gottliebが作ったのが、クリーチャーでないカードにクリーチャー・タイプを持たせられるようにする新しいカード・タイプだった。
しかし、すぐに問題が明らかになった。部族が存在すると、我々は何にでもタグ付けする必要が出てきた。一部のゴブリン関連カードがゴブリンなのに、他のゴブリン関連カードがゴブリンではない、という状況は作りたくなかったからである。そのため、我々は部族というカード・タイプをそこら中で使う必要があった。問題は、それが意味を持つ状況はほとんどないということだった。例えば、我々が部族・カードを『イニストラード』で使ったとすると、95%の状況では何の意味も持たない。部族テーマを色濃く有するセットにもかかわらずである。つまり、多くのカードに単語を増やすにもかかわらず、ゲームプレイ上の向上はほとんど見込めないということになる。そこで、我々は、使うのを止めるのが正解だと判断したのだ。
極力オラクル改変は避けたいみたいですね。
エルドラージなど、特定の次元でしか登場していない部族なら問題ないような気もしますが。
2016年春のブロックについて、一番気に入っていることは何ですか?
そのセットは、我々が現在抱えているある問題を綺麗に解決していると思う。
抱えている問題…何でしょう。
パッと思いつくのは、フェッチが退場することでバトルランドの価値がかなり下がることですが。
特にスタンダードに限定した話でもないようなので、もっと広い範囲の話かもしれませんね。オーラ強化計画再びかも。