チョウセンブナ採集(霞ヶ浦水系)
先日、霞ヶ浦付近で淡水魚採集をしてきました。
目当ては外来魚のチョウセンブナです。
「フナ」と名前に入ってはいますが、見て分かる通りまったくフナではないという面白い名前の魚です。
近縁のものにタイワンキンギョ(パラダイスフィッシュ)がありますが、こちらも全くキンギョではありません。ネーミングセンスどうなってんの?
日本国内では茨城、千葉、岡山、長野、新潟、愛知?とバラバラに分布していますが、このうち岡山では絶滅した可能性が高く、長野・新潟・愛知は現在どうなっているのかほぼ情報がありません。
確実に生息していると言えるのは茨城(霞ヶ浦水系)と千葉(印旛沼水系)のみとなっているようです。
今回、仕事で茨城に行くことになったので、どうせならと土日で霞ヶ浦周辺の採集行を計画しました。
土曜日
10時半ごろ、千葉駅で友人3人と合流。
誰もチョウセンブナのポイントを知らないため、わずかな手がかりを元に探索を始めます。
手がかりは、
- かなり汚いドブでも生きていける(空気呼吸できるため)
- 止水か、ほぼ流れがない場所
- 常陸利根川周辺に多く分布する?
これだけ。無いも同然ですね。
とにかく水田脇の狭い用水路をどんどん攻めていきます。
……が、魚どころか何もいない水路ばかり。割と雨が強く降っていることもあって、一行のテンションは下がる一方。
北風と雨でガタガタ震えながら水に手を突っ込むの、軽い地獄ですね。
終盤には魚がたくさんいる水路を見つけたのですが、メダカ・フナ・タナゴ・ドジョウなどがメインで、肝心のチョウセンブナは網に入りません。
ある程度の苦戦は予想してましたが、ここまで手ごたえが無いかと悲しくなりながら、日没辺りで撤収しました。
ほんとに雨はやめてくれ。
日曜日
2日目は朝から活動できること、またレンタカーを借りたので車2台体制で臨めることから、いよいよ本番開始です。
幸いにも土曜と違って天候に恵まれ、気温は低いものの水温は上がってそうな感じ。魚の活性も上がってるはずです。
2台の車は別々に探索を進めます。前日に魚がいた水路の再確認から始め、新たな地域にも挑戦しますが、やはり音沙汰なし。
昼飯時に一度集合して作戦タイム。ツイッターやブログで上がっている採集報告を改めて確認し、今後の方針を練りました。
……とはいえ、ここまで全く手ごたえが無い以上、探し方が正しいのかどうかすらわかりません。
再び二手に分かれて探索を始め……「ここまで探したのとは全く違う水路を探した方がいいな」「その方が今後につながるな」などと、諦めムードが漂い始めたとき、ウキクサが一面を覆う水路が目に留まりました。
ウキクサがある=除草剤が入ってない(魚の死骸まみれの水路をいくつか見てきた)。
魚やエビが確実にいるだろうこの水路、それほど汚くはないが……と思いながら網を入れます。
水面のウキクサを薙ぎ払うようにすくったところ、
「あ、いた」
いました!!
見間違えようのないこのフォルム。ブルーギルの幼魚を何回か見間違えましたが
念願のチョウセンブナです!
直ちに別行動の2人を呼び寄せ、周辺を集中的に攻めます。
……しかし、追加で捕獲できたのは1尾だけ。最終的には、4人で2尾という渋い結果に終わりました。
とはいえ、自力でポイントを発見できた喜びは大きい……!
誰が言ったか、「ポイントを教えてもらう採集はただの回収だ」とはまさにその通り。そもそも市販されている魚ですし、宿泊費もろもろ考えると、ただ拾いに行くだけなら買った方がよほど良いです。
自力で探し当てたことにこそ価値があると思います。
今回の採集行、反省点も既に見えていますし、次行くときは10尾くらい持って帰りたいですね。
めちゃくちゃ遠いので気軽には行けませんが…(茨城で学会やってくれ…)
・余談
チョウセンブナを見つけた水路、L字形になってまして、一方にはウシガエルのオタマが腐るほどいました。
しかし、チョウセンブナを見つけた方にはオタマが一切いなかったんです。
行き来できないわけはないと思うのですが。。。
・今回見かけた生物(詳細な同定はせず)
メダカ カダヤシ ブルーギル タナゴ モツゴ ドジョウ フナ ソウギョ? カマツカ?
スジエビ ミナミヌマエビ テナガエビ アメリカザリガニ ウチダザリガニ?
ウシガエル(オタマ)
カダヤシよりメダカが優占している場所が多いのが印象的でした。