過日のやり直し

生物の飼育を中心に、趣味の話など。

チョウセンブナ採集(霞ヶ浦水系)

先日、霞ヶ浦付近で淡水魚採集をしてきました。

目当ては外来魚のチョウセンブナです。

ja.wikipedia.org

「フナ」と名前に入ってはいますが、見て分かる通りまったくフナではないという面白い名前の魚です。
近縁のものにタイワンキンギョ(パラダイスフィッシュ)がありますが、こちらも全くキンギョではありません。ネーミングセンスどうなってんの?

日本国内では茨城、千葉、岡山、長野、新潟、愛知?とバラバラに分布していますが、このうち岡山では絶滅した可能性が高く、長野・新潟・愛知は現在どうなっているのかほぼ情報がありません。
確実に生息していると言えるのは茨城(霞ヶ浦水系)と千葉(印旛沼水系)のみとなっているようです。

今回、仕事で茨城に行くことになったので、どうせならと土日で霞ヶ浦周辺の採集行を計画しました。

 

 

土曜日

10時半ごろ、千葉駅で友人3人と合流。

誰もチョウセンブナのポイントを知らないため、わずかな手がかりを元に探索を始めます。

手がかりは、

  1. かなり汚いドブでも生きていける(空気呼吸できるため)
  2. 止水か、ほぼ流れがない場所
  3. 常陸利根川周辺に多く分布する?

これだけ。無いも同然ですね。

とにかく水田脇の狭い用水路をどんどん攻めていきます。

……が、魚どころか何もいない水路ばかり。割と雨が強く降っていることもあって、一行のテンションは下がる一方。

北風と雨でガタガタ震えながら水に手を突っ込むの、軽い地獄ですね。

終盤には魚がたくさんいる水路を見つけたのですが、メダカ・フナ・タナゴ・ドジョウなどがメインで、肝心のチョウセンブナは網に入りません。

ある程度の苦戦は予想してましたが、ここまで手ごたえが無いかと悲しくなりながら、日没辺りで撤収しました。

ほんとに雨はやめてくれ。

 

日曜日

2日目は朝から活動できること、またレンタカーを借りたので車2台体制で臨めることから、いよいよ本番開始です。

幸いにも土曜と違って天候に恵まれ、気温は低いものの水温は上がってそうな感じ。魚の活性も上がってるはずです。

2台の車は別々に探索を進めます。前日に魚がいた水路の再確認から始め、新たな地域にも挑戦しますが、やはり音沙汰なし。

昼飯時に一度集合して作戦タイム。ツイッターやブログで上がっている採集報告を改めて確認し、今後の方針を練りました。

……とはいえ、ここまで全く手ごたえが無い以上、探し方が正しいのかどうかすらわかりません。

再び二手に分かれて探索を始め……「ここまで探したのとは全く違う水路を探した方がいいな」「その方が今後につながるな」などと、諦めムードが漂い始めたとき、ウキクサが一面を覆う水路が目に留まりました。

 ウキクサがある=除草剤が入ってない(魚の死骸まみれの水路をいくつか見てきた)。

魚やエビが確実にいるだろうこの水路、それほど汚くはないが……と思いながら網を入れます。

水面のウキクサを薙ぎ払うようにすくったところ、

「あ、いた」

 

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いました!!

見間違えようのないこのフォルム。ブルーギルの幼魚を何回か見間違えましたが

念願のチョウセンブナです!

直ちに別行動の2人を呼び寄せ、周辺を集中的に攻めます。

 

……しかし、追加で捕獲できたのは1尾だけ。最終的には、4人で2尾という渋い結果に終わりました。

とはいえ、自力でポイントを発見できた喜びは大きい……!

誰が言ったか、「ポイントを教えてもらう採集はただの回収だ」とはまさにその通り。そもそも市販されている魚ですし、宿泊費もろもろ考えると、ただ拾いに行くだけなら買った方がよほど良いです。

自力で探し当てたことにこそ価値があると思います。

 

今回の採集行、反省点も既に見えていますし、次行くときは10尾くらい持って帰りたいですね。

めちゃくちゃ遠いので気軽には行けませんが…(茨城で学会やってくれ…)

 

・余談

チョウセンブナを見つけた水路、L字形になってまして、一方にはウシガエルのオタマが腐るほどいました。

しかし、チョウセンブナを見つけた方にはオタマが一切いなかったんです。

行き来できないわけはないと思うのですが。。。

 

・今回見かけた生物(詳細な同定はせず)

メダカ カダヤシ ブルーギル タナゴ モツゴ ドジョウ フナ ソウギョ? カマツカ

スジエビ ミナミヌマエビ テナガエビ アメリカザリガニ ウチダザリガニ

ウシガエル(オタマ)

 

カダヤシよりメダカが優占している場所が多いのが印象的でした。