過日のやり直し

生物の飼育を中心に、趣味の話など。

改良ベタ(Betta splendens)の形質まとめ (自分用)

 

自分用に、書籍やネットから集めた情報をまとめておきます。
間違ってるところもあると思いますが、認識を改め次第書き直していきます。

 (2020/5/27 加筆修正)

色彩系

 

・ソリッド

体もヒレも同じ1色で、他の色がほぼ混じらないもの。
ソリッドレッド、ソリッドブルーなど。
イリデセンス(輝点)やウォッシュ(黒ずみ)が少ないほど良いとされる。
ショーコンテストでは、ベタの色彩はソリッドとパターンに大別される。

 

・バイカラー

原義は「2色」。体とヒレの色が異なるもの。
代表的なものはマスタードガス(体が青、ヒレが黄色)。

 

・バタフライ

ヒレの縁取りが白いもの。各ヒレの真ん中くらいで色が切り替わるイメージ。
白でなくともバタフライと呼ぶこともある。

→ブルーリム

 体が白、ヒレの縁取りが青。
 リム(周縁)の名の通り、縁に近い部分(4分の1程度)で色が切り替わる。

 

・マルチカラー

原義は「複数」。3色以上のもの。あるいは2色でもバイカラーに入らないもの。
大雑把な分類なので、他の定義にあてはまらないとここに来ることが多い。

→ファンシー

 マルチと同義だが、こちらの方が一般的。
 厳密にいえばマルチはコンテスト用語。

→マーブル

 大理石調のまだら模様を呈する。
 コンテストではマルチカラーと分けられており、定義としては
 「2色以上・境界が明確・色のコントラストが高い」となっている。

  →コイ

   鯉。マーブルの中でも赤・白・黒と錦鯉に似た色彩のもの。
   マーブルじゃなくてもこの3色だったらコイと呼ばれることが多い。

→ダルメシアン 

 犬のダルメシアンのように、体・ヒレにスポット模様が入るもの。
 赤や青のスポットが多い。

 →アルマゲドン

  ダルメシアンのうち、オレンジの地色に赤いスポットが入るもの。

 

・キャンディ(ニモ)

大別すればマルチだが、特に4色~7色のもの。
元々はディズニー映画の「ファインディング・ニモ」に登場するカクレクマノミに似ているということで、オレンジ・白を基調としていたらしい。
マルチカラーでよくない? と思うけど、どうしても名前をつけるなら、特定の色に縛られないという意味でキャンディを推したい。

 

・ギャラクシー

光沢を持つ鱗(イリデ)があるもの。正確な定義は不明。
おそらく、白系の鱗が黒や青に浮かび上がる様を銀河に例えている。
体全体に光沢があるより、点在する方が星っぽくてよりギャラクシーっぽい(私見)。
ドラゴンの鱗(金属光沢)とは別と思われる。
 

・ドラゴン

鱗の大部分が銀色(金属光沢)になっているもの。金色もある。
基本的には地色(ヒレ)は1色(ブラック、レッド、イエローなど)。
ややこしいことに、「ブルードラゴン」と言うと地色だけでなく鱗も青銀色だったりする。
「プラチナブルードラゴン」だと地色が銀でヒレが青、らしい。
銅みたいなやつはカッパー(コッパー)。

→サムライ

 ブラックドラゴンからの派生。地色は黒で、ドラゴンの金属光沢鱗が頭部~背中に点在する。
 背中の銀が日本刀のように見えるからサムライ…ではなく、
 頭が銀色=兜をかぶっているように見えるから
サムライらしい。
 この点からいうと、背中の銀はあまり重要ではないとも言える。(個人の好みか)

 

ヘルボーイ

赤地に黒模様、尾ビレに白の放射状模様…といった感じの個体が多いが定義不明。
ソリッドに近い赤地に黒が差すもの。
スターテールなどで白が入るものも多く、派生が進んでいる。
突き詰めればハウスネームなのであまり固いことを言う必要はないと思うが、
「イエローヘルボーイ」は個人的に納得しがたい。

 

・クリア(クリアフィン)

透明な部分があるもの。全身クリアな個体はよくいるがあまり人気がない。
どうも他の色とのコンボによって鮮やかな色彩になるらしく、
一見そうは見えなくてもクリアの血が入っている個体は多いと思われる。
そういった意味ではアルビノに近い扱いと言える。

 

・ブラック系

→メラノブラック

 体全体に漆黒を呈する。メスが致死遺伝となるらしく、
 純粋な(ホモの?)メラノブラックはいないとされている。

 

形態系

 

・ベールテール

ヒレ(特に尾ビレ)が長く伸びたもの。全てのヒレが大きいとロングフィンとか呼ぶこともある。
ショーベタ(後述)に対してトラディショナル(トラベタ)と呼ばれることもある。

 

・プラカット

ヒレが短く、ワイルドに近い形態のもの。気質も激しいとされる。
尻ビレの後端が伸長するのが特徴。
ベタの本場タイでは圧倒的に人気が高いらしい。

→ハーフムーン・プラカット

 プラカットのうち、尾ビレが180°展開するもの。
 近年はこの基準を満たしている個体が多く、単にプラカットと呼ばれることが多い。
 ハーフムーン×プラカットのF1個体ではない。

 

・ハーフムーン

尾ビレが上下に180°展開し、半月のように見えるもの。
プラカット<スーパーデルタ<ハーフムーンの順でヒレが大きい。
コンテストでは条の分岐数など厳密な定義がある。

 

・ダブルテール

尾ビレが真ん中で分離し、2つあるように見えるもの。
「尾ビレと尻ビレが背中側にも発現する」という奇形であるらしく、
ショートボディなど体型に異常がある個体が多いとされる。
他のテール系形質と組み合わさって発現する。

→フルムーン

 ダブルテールのうち、ハーフムーン状の尾ビレを持つもの。
 背ビレや尻ビレとあわせて、満月のように見える。

→ライヤーテール(廃語?) 

 他の熱帯魚(モーリーとか)でのLyre Tailに準ずるらしいが、
 おそらくダブルテールの別称あるいはハウスネームと考えられる。

 

・クラウンテール

ヒレの軟条(レイ)が突出し、ギザギザのヒレを持つもの。

→キングクラウンテール

 レイの先端がクロスしてX字状になっているもの。珍しい。

→コームテール

 レイがY字に見える。クラウンよりも硬そうなイメージ。
 いまいち由来がわからないが、プラカットとクラウンテールを掛け合わせたものか。

 

・エレファントイヤー(ダンボ、ビッグイヤー

胸ビレが大きいもの。IBC基準ではヒレの大きさでダンボとビッグイヤーが分かれており、大きい方がダンボ。
尾ビレを除く体長の半分以上に胸ビレが到達していればダンボとなる。
実際の流通上は、この系統はほぼすべてダンボと呼ばれている。
元は胸ビレが白いものが多かった(最初の個体が白かった)が、最近は様々な色のヒレが登場している。
なんでディズニーから名前を取ろうとするのか、理解に苦しむ。

 

ジャイアン

全体のサイズが大きいもの。10cmを超える個体もあるとか。
おそらくポリジェネ(多因子遺伝)なのだろう、中途半端なサイズのものも多い。

 

・ショーベタ

トラディショナル・ベタ(ベールテール)に対し、ハーフムーン・プラカット・クラウンテールなどショーに出るレベルのベタという意味らしい。
実際にはハーフムーンとスーパーデルタなど、厳密な区別が難しいものに使われているイメージ。