カイコの蛹は美味しかった(昆虫食)
皆さん、好きですか? 昆虫食。
僕はそんなに好きではありません。
たいがい何でも食べられますけど、現状では特に利点がないからです。
入手しやすさ、味、値段、保存、諸々考えると、他の食材と並んで消費されるようになるのは難しいんじゃないかなと思います。
環境負荷やクリーン性で畜産に優るところはあるので、研究はどんどん進んで欲しいところです。
さて、ひょんなことから大量のカイコの蛹を手に入れる機会がありました。
このままだと廃棄される運命なのですが、なんとも勿体ないですよね。
クリーンな環境下で、まあまあな手間をかけて育て上げたカイコの蛹……
食うか…?
カイコの蛹はもともと食用にされており、日本では信州で食べられていたそうです。
外国では、韓国の「ポンテギ」(蚕蛹の缶詰)が有名ですね。
ポンテギと言えば、バラエティ番組の「おにぎりあたためますか」で罰ゲームに用いられていたことからわかるように、
非常に独特な香りと味が特徴……はっきり言って不味いことで知られています。
僕の中でもそのイメージが強かったのですが、ネットで調理レシピを調べているうちに意外な情報と出会いました。
「ポンテギ等市販の蛹は、糸を取るために長時間茹でられた後に乾燥させており、酸化しきったダシガラみたいなもの」
「新鮮な蛹は非常に美味で、昆虫の中でもトップランクの味」
マジっすか!
そういえば大学生のころ、サークルでカイコを食べたような…? おいしかったっけ…?
記憶に無い以上は未体験ということで、とりあえずやっていきますか。
何か大変なことになったときに全てをリセットするための酒を用意し、調理開始です。
なお、ここからの作業は妻がいないときにやっているのでご安心ください(?)
今回料理に使うのは、結繭後一週間程度の蛹です。
これより早いと蛹化していないものが多く、遅すぎると成虫の体ができてしまうので、
ちょうど良いタイミングだと思います。
・乾煎りする
とりあえずフライパンで乾煎りですね。
ジタバタ動き回るので若干の罪悪感があります。
焼いても色は変わらないし、火が通ってるのか全然わからないんですが、
動かなくなってから1分くらい加熱したところでいざ実食。
うまい!
めちゃくちゃうまい!
味は魚の白子+ナッツの香り。
少し弾力のある皮を噛むと、中の食感も白子に近いです。
いわゆる臭みはほぼなく、この味だけで言えば9割以上の人が食べられると思います。
今まで食べた虫の中で一番おいしかったのはセミの幼虫なのですが、それと共通するナッツの香りがあるのが面白いですね。
脂肪の香りなんでしょうか。
・揚げ焼き
↑のフライパンに油を入れ、油少なめの揚げ焼きに挑戦。
昆虫食の世界では素揚げがポピュラーな調理法でありまして、
挙げちゃえば虫もエビもカニも変わらないという歴然たる事実があります(?)
で、やってみたんですが、中身が爆発しました。
温度が高すぎたんでしょうか? 何か衣を付ければよかったのかな?
純粋に料理スキルが低いので何とも言えないところです。
一応火が通ったところで食べましたが、うーん。
味は焼いたものと変わらず。難易度が低いぶん、乾煎りに軍配が上がりそうです。
皮がサクサクになるまで挙がれば別のおいしさになりそうな気もするのですが、
そこまでいくとポンテギの臭さが出てくるかも。難しいですね。
・塩茹で
優勝!!!
水に塩入れて茹でただけですが、これが本当においしい!
焼きよりも水分量が多いからでしょうか、さらに白子っぽい食感になってます。
味付けもせずこの美味しさというのは本当に驚きです。
カイコの蛹は美味しかった
新鮮な蛹は美味しいという情報に偽りはなく、ポンテギとは全く別の食材でした。
ただ、今回使用したカイコは人工飼料のみを食べて育ったものなので、
桑の葉で育てた場合はまた味が変わってくるかもしれませんね。(クワが不味さの原因という話もあるらしい)
こういうふうに食べようと思うと、繭から糸を取ることはできません。
逆に言えば繭の品質はどうでもいいので、より大きく・美味しく改良された品種が作られてもいいんじゃないかと思います。
もう少し広食性だと、食材としての道も開けそうなものなのですが…
それではまた。