ツマジロクサヨトウ（Fall armyworm）が本州に侵入
2年前にアフリカで大発生し、昨年インドに侵入したツマジロクサヨトウ（Fall armyworm）Spodoptera frugiperdaですが、今年に入って九州で確認され始めました。
そして、いよいよ四国・本州に侵入したようです。もともと成虫の飛翔能力が高いことに加えて、台風による拡散もあったかもしれません。
これまで国内で見つかったのは全てコーン畑からで、コーンを主に食害する系統と考えられますが（選好性が異なる系統が複数あるらしい）、
もともとコムギ・イネなどのイネ科に加えてマメ科や野菜類など広い寄主範囲を持つ種ですので、
既に様々な作物に寄生している可能性が高いです（当然、雑草でも増殖します）。
今後、ハスモンヨトウなどと並んでメジャーな害虫となっていきそうですね。
南米やアメリカでは農薬抵抗性がさほど発達しておらず、ジアミド系やスピノシン系など幅広い薬剤で防除可能な種ではあるのですが、
アフリカ・インド・中国などで強い防除圧を受けてきた個体群が日本に飛来することを考えると、
抵抗性を発達させ難防除害虫となってしまう可能性が十分にあると考えられます。
